【12月19日 東方新報】中国教育部は11月25日、「義務教育を休学する子供たちが29万人いた地域が、施策により1年間で2万3000人へと減少した」と記者会見で発表した。

 教育部はこの1年間、休学している子供たちが多い地域をモニタリングし、休学者が減少するための作業計画を実施した。これにより、家庭貧困やその他の理由で休学する子供たちを大幅に減少させることができた。モニタリングの対象は832の国家指定の貧困県だという。

 計画では、「休学している子供たちに心理カウンセリングをして得た休学理由」を分類し、分類したターゲットに対する復学の施策を行った。「『インターネット+学校教育』で地方の学校にも質の高い学習リソースを提供」「子供たちに温かい学校づくり」などを実施した。今後、1年間で得たノウハウを展開して、全国規模で休学している子供たちの復学を支援していくという。

 日本では「いじめの問題などによる不登校」の問題がなかなか改善しない。文科省の統計では、戦後多かった不登校の子供は1970年頃まで減少し1万人程度となったが、その後、1990年頃から急増。2001年から現在まで14万人から12万人の間で増減を繰り返している。「いじめによる自殺」という、不登校よりも深刻な事象も後を絶たない。

 中国では、出席簿を教育部のプロジェクト担当官がオンラインで見て問題がありそうな子供を発見し、「なぜ学校を長期間休んでいるのか」を聴き取り、心理カウンセリングを行って悩みを抱える子供たちに手を差し伸べることが大規模にできているようだ。日本の教育行政関係者、また、不登校問題をテーマとする非営利団体などは、中国の1年間のこの試みについて、会議や訪問視察を申し入れて、どのような「不登校の分類と対策」が考えられるかの知恵を得る必要があるのではないか。(c)東方新報/AFPBB News