【12月1日 AFP】サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)の組み合わせ抽選が30日、ルーマニアの首都ブカレストで行われ、W杯ロシア大会(2018 World Cup)王者フランスと現欧州王者ポルトガル、そしてドイツが同居する厳しい組ができあがった。

 来年の欧州選手権は24か国が出場し、欧州12の国で分散開催される。その中で今回はフランスとポルトガルがポット1から漏れ、上位シードの各国としてはグループステージでの対戦を避けたい危険なチームとなっていたが、抽選結果はこの両者がグループFで同組になるだけでなく、そこにドイツが加わるというものだった。

 W杯と欧州選手権の2冠へ向け、大きな壁が立ちはだかることになったフランスのディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は「最も厳しいグループだが、受け入れなくてはならない。今すぐにでも準備を始めなければ」とコメントした。

 前回大会では、開催国フランスが準決勝でドイツを退けて決勝へ進出したが、ポルトガルに敗れて優勝を逃した。今大会もグループ3位の成績上位4チームは決勝トーナメントに進出できるため、3か国がすべて勝ち上がる可能性はあるが、フランスは前回W杯を制した地元開催の1998年大会の際も直後の2000年欧州選手権を制しており、ドイツのヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督も同国がグループの一番手だと認めている。

 レーブ監督は「彼らは世界チャンピオンで、この3年か4年でどんどん強くなっている。グループ突破の最有力候補だ」と話した。

 ドイツはグループ3試合をすべてミュンヘン(Munich)で行い、6月16日にいきなりフランスと激突。その4日後にポルトガルと対戦する。グループのもう1チームは来年3月に行われるプレーオフの勝者が入り、ハンガリーが勝ち上がった場合はブダペストでグループの2試合を行う。

 その他のグループでは、イングランドがクロアチア、チェコと同じグループDに入った。イングランドは準決勝2試合と7月12日の決勝の舞台でもあるウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)でグループ3試合をプレーする。もう1チームはセルビア、ノルウェー、イスラエル、スコットランドによるプレーオフの勝者が入り、スコットランドは本戦に進出すればグループの2試合をグラスゴーで戦える。

 グループAはトルコ、イタリア、ウェールズ、スイスという組み合わせ。イタリアは6月12日にローマでトルコとのチーム初戦を迎え、一方で前回ベスト4のウェールズは遠く離れたバクーでスイスとの13日の初戦を含めた2試合を行う。ただしウェールズはバクーでの試合経験があり、11月の予選でアゼルバイジャンに勝利している。

 グループBは、初の欧州制覇を狙う強豪ベルギーと、開催国であるデンマークとロシア、そして大会初出場を決めたフィンランドという組み合わせになった。

 グループCには3大会ぶりの主要大会復帰を果たしたオランダが入り、ウクライナ、オーストリア、プレーオフ勝者と対戦する。

 グループEはルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督が復帰し、ビルバオ(Bilbao)で3試合を行うスペインと、スウェーデン、ポーランド、プレーオフ勝者という顔合わせになっている。(c)AFP/Andy SCOTT