【12月3日 CNS】中国人か、外国人か――。サッカー中国代表のマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督が辞任し、誰が次期監督になるかが中国サッカー界にとって最大の焦点だ。

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「私はもらうべきでないお金をもらうことは好きではない。中国で8年間、素晴らしい時間を過ごした。クラブチームから始め、代表でもやった。私自身は大きく成長できたが、私に対する信頼と尊重にこれ以上応えることはできないと感じたことが、今回離れることになった原因だ」とリッピ監督は海外メディアに語った。

 リッピ監督からは「これ以上できない」とさじを投げられたが、代表監督に就くことはサッカー指導者にとって「垂涎(すいぜん)の的」だ。ブラジルの著名なサッカー指導者であるルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)氏やリッピ監督の下で助手を務めたマッダローニ(Massimiliano Maddaloni)氏が早速興味を示しているとされる。外国人候補の他、中国人指導者の李霄鵬(Xiaopeng Li、リ・シャオペン)氏も呼び声が高い。

 中国メディアの試算によると、リッピ氏には3年間で4億元(約60億円)を超える巨額の給与が支払われた。外国人指導者が、中国サッカー界で実績を残したいと考える以外、高額の収入が監督を引き受けてもよいと思わせる誘因の一つであることは明らかだ。

 一方、中国人指導者にとっては、国のために戦い、代表で実績を残すことのほうが重要かもしれない。多くの困難と巨大な圧力はあるだろうが、代表監督として得られる栄誉と地位は、クラブチームのそれとは比べようがないほど大きいだろう。

 この数年の代表監督の変遷を見ると、2002年にボラ・ミルティノビッチ(Bora Milutinovic)氏の後をアドリアヌス・ハーン(Adrianus Haan)氏が継ぎ、ハーン氏の退陣後は、中国人の朱広滬(Guanghu Zhu)氏、そしてウラジミール・ペトロヴィッチ(Vladimir Petrovic)氏、高洪波(Hongbo Gao、ガオ・ホンボ)氏と続く。

 新監督が外国人か中国人かいまだに定かではないが、実力に限りがある今の中国代表に海外からさらに有名な指導者を呼んできても、短期間でチーム力を引き上げることは現実的ではない。身の丈に合った戦術を定め、既存の隊員のパワーを活性化させ、大試合の圧力に負けない力を発揮できるようにすることが重要なポイントとなるのかもしれない。(c)CNS/JCM/AFPBB News