【11月28日 AFP】スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)新大統領や実兄マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)元大統領の身辺を捜査していた警察官が、殺害予告を受けたとして、スイスで亡命を申請したことが分かった。これを受け、スリランカ政府は捜査官が許可なく出国することを禁じ、空港に厳戒態勢を敷いた。

 警察発表やメディア報道によると、スリランカ警察犯罪捜査局(CID)のニシャンタ・シルバ(Nishantha Silva)警部は24日、上司に何も告げずスリランカを出国し、スイスで亡命申請を行った。スリランカ紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)によると、今月16日の大統領選でゴタバヤ氏が当選して間もなく、殺害予告を受けたという。

 シルバ氏は、2015年まで10年間続いたマヒンダ元大統領の政権が絡んだ汚職・殺害事件の捜査を担当していた。ゴタバヤ氏も捜査対象だったという。

 マヒンダ氏は実弟の選挙戦を成功に導いた後、首相として権力の座に返り咲いている。また、昨年中にも短期間ながら首相を務めており、その間シルバ氏は一時的にCIDから異動させられていた。

 スリランカ警察は26日、空港に厳戒態勢を敷き、CID捜査官704人の名簿を出入国管理局に渡したことを明らかにした。「適切な手続きを踏んで海外渡航の許可を得ることなく、出国する捜査官を決して出さないため」だと説明している。(c)AFP