【12月2日 東方新報】中国の有人宇宙ステーションが2022年ごろに完成し、運営開始される見込みだ。中国工程院(Chinese Academy of Engineering)の院士で、中国の有人宇宙飛行プロジェクト総設計師の周建平(Zhou Jianping)氏が11月18日、第4回中国人間工学サミットフォーラム(China Summit Forum on Human Factors Engineering)の中で明らかにした。宇宙ステーションは約100トン、定員3人だという。

 中国宇宙ステーションは中国航天科技集団(CASC)が総合設計を担い、中国が近宇宙長期有人宇宙飛行技術を独自に取得して長期にわたって近宇宙有人科学実験に参与し、宇宙資源エネルギーの開発利用を展開するための準備を目的とする。

 周氏は「中国の宇宙ステーションの完成が、国情と国家発展戦略目標などの原則に合致し、現代先進技術を利用して、その有効性を重視し、運営経済性や規模の適合性も追求した」として、100トン、定員3人という規模に設定したという。

 宇宙ステーションは将来的には中国の宇宙科学研究のメインプラットフォームとなり、三つの目標を掲げている。一つは、大型宇宙空間施設の建造・運営技術を取得し、そのレベルを国際宇宙ステーション(ISS)の技術に到達させ、現在のレベルを超えること。二つ目は、宇宙飛行士の軌道飛行上の生活と健康を保証する技術を獲得すること。三つ目は、国家宇宙実験室を建設、科学者にハイレベル科学研究プラットフォームを提供し、いくつかの科学関連領域において重大目標の突破を期待すること。

 世界で稼働している唯一のISSは、1998年に米ロなど16か国が共同で建造したものだが、中国はこのプロジェクトから排除されており、独自で宇宙ステーション建設技術に取り組んできた。2011年9月に宇宙ステーション天宮1号(Tiangong-1)試作機を、続いて2016年に天宮2号(Tiangong-2)実験モジュールを打ち上げ、同年10月に有人船神舟11号(Shenzhou-11)が打ち上げられて、飛行士の船外活動によって実験モジュールとドッキングに成功。飛行士たちは33日間の宇宙滞在を行った。これで中国宇宙ステーションの基礎が出来上がった。

 2022年に中国独自の宇宙ステーションが完成し、2024年にISSが予定通り退役するとなると、中国のこの宇宙ステーションが世界唯一の稼働中の宇宙ステーションとなる。このため多くの国が中国との共同宇宙開発実験プロジェクトを申し出ている。

 2016年の段階で中国有人宇宙飛行プロジェクト弁公室は、他国の宇宙飛行士や専門家に軌道飛行の場を提供することに同意する国連協議書に署名。今年6月までに申請があった27か国42項目の国際協力プロジェクトのうち、17か国の9プロジェクトを選出した。中国の宇宙ステーションに寄せられる国際社会の期待は大きい。(c)東方新報/AFPBB News