【11月28日 AFP】反政府デモが続くイラクで27日、イスラム教シーア派の聖地ナジャフ(Najaf)にあるイラン領事館にデモ隊が放火した。デモによるこれまでの死者は350人を超え、状況は急激に悪化している。

 2か月あまり続いている反政府デモの参加者らは、イラク政府に影響力を及ぼすイランに対して怒りをあらわにし、「イラクに勝利を!」「イランは出て行け!」などと連呼した。治安部隊が催涙弾を発射し、数十人が負傷した。

 しかし現地のAFP特派員によると、数百人規模のデモ隊がイラン領事館を包囲し、タイヤや毛布、段ボールなどに火をつけ、治安部隊は撤退。デモ隊は領事館の中になだれ込んだが、イラン人職員らはすでに避難した後だったとみられる。AFP記者は、イラン領事館の入り口付近から火が燃え上がり、黒煙が広がったと伝えた。

 今月初めには、同じくシーア派の聖地であるカルバラ(Karbala)のイラン領事館も反政府デモの標的となった。このときは領事館の防衛を担った治安部隊が発砲し、デモの参加者4人が死亡した。(c)AFP/Qassem al-Kaabi