【11月28日 AFP】(更新)マグニチュード(M)6.4の地震が発生したアルバニアでは27日、建物の倒壊現場で懸命の救助活動が続いた。がれきの下から粉じんに覆われた犠牲者の遺体が運び出されており、同国国防省によると同日夜までに30人の死亡が確認された。

 26日未明に発生した今回の地震は、同国でここ数十年に起きた地震としては最も強く、被害が大きいものとなった。手当てを受けた負傷者は650人に上るが、大半は軽傷。行方不明者数の推定は示されていない。

 政府は、大きな被害の出ている港湾都市ドゥラス(Durres)と首都ティラナ北郊の町トゥマン(Thumane)に非常事態宣言を発令した。救助活動には捜索犬のほか、欧州各地から現地入りした200人余りの専門家が参加。地震発生当日には45人ががれきの下から救出された。

 トゥマンでは27日早朝、倒壊した建物から夫婦の遺体が収容された。親族や近隣住民によると、海外から帰省していた夫婦の息子は26日夜にがれきの下から救出されたものの、搬送先の病院で死亡した。

 ドゥレスでは少なくとも27棟の建物が大きく損壊。6人家族が住む家が全壊した現場では、重機が使えない中、救助隊と行方不明者の親族が手作業で捜索を行った。一家は貧しいアルバニア北部からより良い暮らしを求めて引っ越してきていたという。

 トゥマンに設置されたテントやドゥレスのサッカー場で、数千人の被災者が夜を明かした。アルバニアや周辺国ではM5.3の地震を含む余震が相次いでおり、救助活動の中断や住民らの間でのパニックを引き起こしている。(c)AFP/Briseida MEMA