【11月25日 AFP】太平洋の島国サモアで麻疹(はしか)が流行しており、これまでに25人が死亡した。患者の多くは子どもだという。25日に発表された国の統計で明らかになった。

 サモアの人口は約20万人。同国政府によると、これまでに2194件の症例が報告され、罹患(りかん)者の半数以上が0~3歳。確認されている死者の内訳は、37歳の男性が1人、残る全員が4歳未満の乳幼児だという。

 非常事態を宣言した当局は予防接種を義務化し、この5日間で1万7000人以上が予防注射を受けたとしている。

 国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)が同国に11万回分の麻疹ワクチンを送り、オーストラリアとニュージーランドからの医療チームが、予防接種の実施に協力している。

 近隣のトンガとフィジーでも麻疹の流行があったが、サモアは予防接種率が推定28~40%と低く、影響が最も大きくなっている。

 サモアでは昨年、麻疹ワクチン接種直後に乳児2人が死亡したとして、予防接種計画が一時中断されていた。

 調査の結果、看護師らのミスで誤った薬剤が2人に投与されたことが判明したものの、この死亡事例は国民に不信感を植え付け、予防接種活動の妨げとなった。(c)AFP