【11月25日 AFP】高潮による浸水被害が相次いでいるイタリア・ベネチア(Venice)で24日、巨大クルーズ船の寄港と洪水対策をうたった巨額インフラ事業に抗議する市民数千人が、大雨の中をデモ行進した。

 デモは環境団体や、巨大クルーズ船が起こす波が浅瀬の上に築かれた「水の都」の地盤を浸食していると批判する市民団体が呼び掛け、2000~3000人が参加。ルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長の辞任を要求した。

 デモ隊はまた、洪水対策をうたって2003年に始まった大規模インフラ事業「MOSE」の棚上げも要求している。この事業は、予算超過や汚職スキャンダル、工事の遅延などの問題を抱えている。

 中世の街並みが残り、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているベネチアでは、今月に入り「アクアアルタ(Acqua alta)」と呼ばれる高潮による洪水が相次いでいる。24日も浸水被害が発生し、水位は高さ130センチに達した。(c)AFP