【11月25日 AFP】2019年から開催方式を刷新して行われた男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)について、改革を主導したサッカー選手のジェラール・ピケ(Gerard Pique)氏は、これまでの大会のような盛り上がりとドラマは今大会でも保たれていたと評価し、観客動員などの問題も来年には改善されると自信を見せた。

 119年の歴史を持つデビスカップは、今年からフォーマットを一新して開催された。いくつか熱戦も繰り広げられ、新方式1年目としては順調な滑り出しを切った一方で、グループステージの特に午前中の試合で客足が伸びなかったことや、試合終了が深夜にずれ込んだことなど、課題も残った。

 国際テニス連盟(ITF)と25年間のスポンサー契約を結んだ投資グループ「コスモス(Kosmos)」の代表として、改革の先頭に立ってきたピケ氏は、新しいデビスカップが今後「特別な素晴らしい大会」になる土台ができたと今大会を評価し、「ここまでで最も重要なのは、デビスカップのスピリットだ」と話した。

「突破を決めた選手たちが喜び、笑い、楽しみ、一方で敗退したチームが涙するところを見てきた」「テニスのツアーで、そんな場面が見られる大会は一つもない。四大大会(グランドスラム)でさえ、負けて泣く選手は見たことがない。これを土台に、素晴らしい特別な大会を今後組織していけるはずだ」

 大会にとっては、地元スペインの躍進が大きな追い風になり、23日に行われた英国との息詰まる激戦には、2万1955人の観客が集まった。しかし大会初日の18日は、センターコートから第3コートまでの三つの対戦で、観客数は合計1万2114人にとどまった。

 ピケ氏は「どんな感じかひとまず様子を見て、来年どうするか決めようと考えた人たちがたくさんいた」「しかし同時に、各国からファンが遠征してきていたのも事実だ。カザフスタンやオランダ、ベルギーからね」「だから、新しいフォーマットがどういうものかみんなに伝わった来年は、きっと観客動員も大きく伸びるはずだ」と話している。

 大会は2020年もマドリードで開催されることが決まっており、その次の年もそうなる可能性があるが、出場国で持ち回りにする方が大会の正当性は示しやすい。

 ピケ氏は「(2021年について)さまざまな選択肢がある」「マドリードはもう1年やることに関心を示している。アジアや北米、南米からの関心もある。数か月後には決めたい」と話した。

 試合が連日組まれる中、夜の部のいくつかで試合終了が日付をまたぐという、スケジュールの問題も発生した。20日に始まったイタリア対米国戦は、最後のダブルスが終わったのは日付が変わった現地時間の午前4時4分。このため、以降は午前の部、夜の部ともに試合開始が30分前倒しになった。

 それでもピケ氏は「会場に第4コートを造っておくべきだったかもしれない」「確かにそこは来年に向けた懸念材料だが、そこまで心配することではない。簡単に解決できる問題だ」と話している。(c)AFP