【11月24日 AFP】米国で、トップレス姿で自宅のリフォーム作業をしていた女性が複数のわいせつ罪で訴追された。有罪となれば禁錮刑や性犯罪者登録義務が科される可能性もあり、女性は性差別にあたるとして訴追に異議を申し立てている。

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 この女性は、米ユタ州に住むティリ・ブキャナン(Tilli Buchanan)さん(27)。弁護人から州検察に宛てた書簡や地元紙ソルトレーク・トリビューン(Salt Lake Tribune)によると、ブキャナンさんと夫が自宅のガレージでリフォーム作業をしていたところ、しっくいの粉が飛び散ったので2人とも上衣を脱いだ。そこに入ってきた夫の連れ子3人、それぞれ9歳、10歳、13歳がトップレスのブキャナンさんを目にし、ショックを受けたと苦情を言ったので、フェミニストのブキャナンさんは、夫と同様に自分も上半身裸になる権利があると子どもたちに説明した。しかし、この出来事が夫の前妻である子どもたちの実母に伝わった。実母はこれを憂慮すべき事態と受け止め、最終的に別件を調査していた福祉担当者らの知るところとなった。

 これにより、ブキャナンさんは子どもたちの目前におけるわいせつの罪3件で訴追された。有罪となった場合、禁錮1年および10年間の性犯罪者登録義務が科せられる。性犯罪者として登録されれば、居住地域が制限されるほか、就職困難、親権喪失など、生活にさまざまな悪影響が及ぶ恐れがある。

 ブキャナンさんの弁護人を務めるデービッド・レーン(David Lane)氏は、州検察宛ての書簡の中で「ブキャナンさんが女性だという理由で、彼女のむき出しになった胸は本質的に性的で倒錯したものだと非難される。これに対し、夫のむき出しになった胸は強さと男らしさの象徴として称賛される」「ブキャナンさんの訴追は性別に基づいて行われた」と主張。ブキャナンさんに対する訴追取り下げと訴追記録の抹消を求めた。

 レーン氏は来週末までに対応するよう要求しているが、担当判事は判決が出るのは早くても来年初頭になるとコメントした。

 ユタ州は米国でも有数の保守的な州として知られる。(c)AFP