【11月25日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)靖西市(Jingxi)のチワン族に伝わる「田んぼの小人踊り」は、同市の代表的な民間舞踊の一つだ。民族的な特色が色濃く出ており、生き生きとした舞踊形式で、純朴な芸術的風格と深い文化的蓄積が感じられる。主に同市の安徳鎮(Ande)大村屯(Dacun)地区で継承され、すでに900年以上の歴史を持つ。

 この踊りの由来について、現地に二つの説が伝わっている。一つは、チワン族の民衆が田んぼの神様にささげる奉納の踊り、もう一つは、民衆が即興で編み出した民間舞踊という説。

 この踊りは「服飾―道具―動作―歌曲」の四つの要素の調和がとれた民間舞踊だ。毎年秋の収穫の時期、田んぼの農作業の合間に行われる。若者たちが上着を脱いで腰に巻き、田んぼの黒い泥や赤い土を用いて自身の肌の上に眉や目、唇、舌を描き、竹かごを頭にかぶって両腕を張り、腹部を小人の顔に見立て、腕をお下げ髪に見立てた小人の格好になる。

 娘たちは竹の皮で作ったお面をつけ、頭にかさをかぶり、腰にはわらの腰巻きをつけ、田んぼのかかしをまねた格好をする。小人踊りには「足の蹴り合い」「尻の突き合い」「頭の押し合い」などのしぐさがある。ほかにも、呼吸の調整で腹の皮を変化させ、小人の顔の表情をさまざまに表現する。また「かかし人間」は手に持った細長く割いた竹束をたたきながら、小人の踊りのリズムに合わせ、当地の民謡を歌う。

 現地は熱気あふれる愉快な雰囲気で、踊り手は互いに笑わせ合い、うれしそうに跳ねまわり、豊作を喜び祝っていた。(c)CNS/JCM/AFPBB News