【8月17日 CNS】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)で近ごろ、高齢者らがヘッドホンを着けて「サイレントモード」で広場ダンスを踊っていると評判だ。

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 同市西郷塘区の一角にある広場では9日、約100人がヘッドホンを着けて熱心に広場ダンスを踊っていた。広場では音楽の類いは一切聞こえないが、彼らの動きはぴったりと合っており、気持ちよさそうに汗をかいていた。

 彼らは「夢の舞踊チーム」という名前の趣味でダンスをする集まりだ。チームは2011年に設立され、9年以上踊りを続けてきた。メンバーは121人、年齢は最高で82歳、最も若い人でも50歳を超えており、みな付近に住む「定年退職者」だという。

■ヘッドホンを着けて踊ったら苦情がゼロに

「サイレント」な踊りを始めたきっかけは苦情だ。以前は音楽をスピーカーで流して練習をしていたが、付近の店や住民から苦情や抗議を受けることが少なくなかったという。

 チーム責任者の楊さんは「ここは建物と建物の距離が近く、ボリュームをちょっと上げるとすぐに苦情がくる。ボリュームを小さくすると、メンバーに聴こえないのです」と話す。今年5月に、音の問題を抜本的に解決しようと、ヘッドホンを使った「サイレントダンス」を提案し、それ以降、苦情はこなくなった。

■「サイレント」の秘訣

 100人が同時に音楽を聴けて動きもぴったりと合わせる秘訣(ひけつ)について、楊さんは「送信機とスマホとヘッドホンがあれば簡単にできます」という。スマホで音楽を再生し、送信機でそれを無線で送信する。ワイヤレスヘッドホンの周波数を送信機に合わせれば、多人数で同じ音楽を聴くことができる。

「送信機は私が自分のお金で買ったもので、ヘッドホンもメンバーが自分で買ったものです。ワイヤレスヘッドホンの音量は適当に調節できるし、ステレオでも聴けるので、踊り出したら気分がいい。人様に迷惑もかけないし、一挙両得ですよ」と語る。(c)CNS/JCM/AFPBB News