【11月22日 AFP】英国の最大野党・労働党は21日、12月12日実施の総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)を発表した。基幹産業の国営化や欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)の是非を問う、賛否両論のある国民投票の再実施など、社会変革を目指した「最も徹底的かつ意欲的な」計画を公約に掲げた。

 労働党は主要公約に公共サービス部門への大型投資や企業改革、週32時間労働の導入の他、鉄道・水道・エネルギーおよびブロードバンド網の国有化を盛り込んだ。同党はこれまで、ジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首が「気候の緊急事態」と呼ぶ事態に対応するため「緑の産業革命」を明言しており、新規雇用や新業種で地球温暖化対策に焦点を当てることを打ち出している。

 一方、英国で最も差し迫っているEU離脱問題について、労働党は、政権掌握から6か月以内にEUと新たな離脱協定をまとめ、英国のEU加盟をめぐり2度目の国民投票を実施すると述べた。英国のEU離脱期限は総選挙投票日からひと月余り後の1月31日となっている。

 党活動家と報道関係者の前で公約発表に臨んだコービン氏は、「最終的な決断を下すのは英国民だ。どんな投票結果となっても、われわれの政府はそれを実行する」と語った。

 世論調査によると、労働党はボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相率いる与党・保守党を追う立場にあり、多くの活動家はEU離脱に対する労働党のあいまいな姿勢が悪影響を及ぼしていると認めている。(c)AFP/Alice RITCHIE