【11月21日 AFP】ルイス・エンリケ(Luis Enrique)氏の指揮官復帰に伴い、サッカースペイン代表監督を降りたロベルト・モレノ(Robert Moreno)氏は20日、チームを離れることで「ほろ苦い気持ち」になったと認めたが、その一方でエンリケ氏やスペインサッカー連盟(RFEF)に対して批判はしなかった。

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 RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長は19日、モレノ氏に代わり、骨肉腫を患っていた娘の看病をするために6月に指揮官を辞任していたエンリケ氏が復帰すると発表した。エンリケ氏の娘は、8月にこの世を去った。

 しかしモレノ氏は連盟の決定に動揺していたようで、5-0で勝利したルーマニア戦後の会見には姿を見せず、涙とともに選手控室を後にしたとも報じられている。

 モレノ氏は「指揮官としての最後の数時間や数日を振り返ると、批判と反論を繰り返してしまいそうだ。けれどそれはしない。そうする意味はないと思う」とコメントした。

「後ろめたさは一切ない。全員に感謝の気持ちを伝えることはできないが、私はみんなを心から尊敬し、彼らの意見を尊重していると言いたい。私は常に約束を守る人であり、ルイス・エンリケが監督に復帰すると決めたなら、彼の邪魔をすることはない」

「チームを離れることになったが、これは自分の決断だ。ルイス・エンリケの成功を祈っている。彼の喜びは、われわれの喜びになるはずだから」

「代表チームでの経験は、始まりも終わりも、ほろ苦い気分だ。これからは前を向き、自分が情熱的になれるサッカーで、指導者としての新たな挑戦に臨んでいきたい」

 モレノ氏の下でチームは公式戦4勝2分けを記録。欧州選手権予選はグループFを10戦8勝、31得点の首位で突破した。(c)AFP/Thomas ALLNUTT