【11月20日 AFP】スペインサッカー連盟(RFEF)は19日、現在代表を率いるロベルト・モレノ(Robert Moreno)監督に代わり、6月までチームを指導したルイス・エンリケ(Luis Enrique)氏が指揮官に復帰することを発表した。

 エンリケ氏は6月、骨肉腫を患っていた娘のシャナ(Xana)ちゃんを看病するため、モレノ監督に後を任せて代表を離れた。シャナちゃんはその後、8月に9歳でこの世を去った。

 RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長は、代表の練習施設で記者会見を開き、「本日、ルイス・エンリケが職務に復帰することを発表する」「ルイス・エンリケは父親としてこの上なく悲しい出来事のため指揮官の座を降りた」「しかし彼は常にわれわれのプロジェクトリーダーであり、契約はW杯カタール大会(2022 World Cup)まで続く」と話した。

 エンリケ氏は2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)後に代表監督に就任し、復帰は歓迎されるとみられるが、今回の件に関する連盟の手際はお粗末で、18日に行われた欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選のルーマニア戦前には、すでにモレノ監督が本大会では指揮しないという報道が出ていた。

 エンリケ氏とモレノ監督はスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)やセルタ(Celta de Vigo)、イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)でもタッグを組んできた盟友で、エンリケ氏が望めば以前と同じアシスタントコーチに復帰する可能性もあるという。

 しかしモレノ監督は連盟の決定に動揺しているようで、5-0で勝利したルーマニア戦後の会見には姿を見せず、涙とともに選手控室を後にしたとも報じられている。ルビアレス会長によれば、19日にセッティングされていた連盟との会合にも現れなかった。

 モレノ監督の下でチームは公式戦4勝2分けを記録。欧州選手権予選はグループFを10戦8勝、31得点の首位で突破した。(c)AFP/Thomas ALLNUTT