【11月21日 AFP】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は20日、労働組合の職員らに賄賂を贈り、労使協議で不当な利益を得ていたとして欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)を提訴したと明らかにした。

 GMはこの訴訟で、FCAの故セルジオ・マルキオンネ(Sergio Marchionne)前最高経営責任者(CEO)を名指し。全米自動車労働組合(UAW)の職員らと共謀してGM絡みの厳しい契約を支持させ、GMがFCAと合併せざるを得なくなるように仕向けたと名指しで非難している。

 また、以前から続いているUAWの職員訓練プログラムをめぐる裁判で、FCAの元幹部がUAWの元職員らへの贈賄を認めたとも指摘している。

 FCAは訴訟を「無益」と一蹴。フランス自動車大手PSAグループとの合併計画や、現在進行中のUAWとの協議の妨害を狙ったものとの見解を示した。

 FCAは「われわれはこの訴訟について、その内容とタイミングの両方に驚いている」「PSAとの合併計画やUAWとの交渉の妨害を意図したものとしか考えられない」と述べた。(c)AFP/John BIERS