【11月20日 AFP】冬眠中のクマをそっと眠らせておいて── 今年のポーランドの大みそかは、そうはいかなさそうだ。毎年大みそかにテレビ中継される恒例イベントの会場が、国立公園内にあるスキーリゾートに移転されることになり、騒動が起きている。

 タトラ国立公園(Tatra National Park)がある南部ザコパネ(Zakopane)では、花火の打ち上げやパーティーを伴うイベント会場の移転を市長が承認したことを受け、多数の人が抗議デモに参加。担架の上にクマの人形を乗せて市内を練り歩くなどして、手続きの中止を訴えた。

 ゲレンデが位置する一帯は、動物たちが冬眠する地域。地元新聞社が立ち上げた署名運動では、19日までに2万7000人分の署名が集まった。

 一方でイベント主催者の公共放送ポーランド・テレビ(TVP)は、過去に同じ場所で行われたスポーツ大会では何の問題もなかったとし、反対する人々を「偽の環境保護活動家」だと非難した。

 移転の話が報じられた後、同国立公園は「花火やクラッカーの音や光によって動物たちが不安がる上、別の冬眠場所を探すようになり、長期的には出生率の減少につながる」と発表。昨年の大みそかは、1頭のクマが冬眠から起こされた後に死んだと述べた。(c)AFP