【11月20日 AFP】男子テニス、元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、新方式の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)に対する根強い批判は不当だとして、大会に成功のチャンスをあげるべきだと訴えた。

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 119年の歴史を持つデビスカップは、今回から形式が一新され、スペイン・マドリードのラ・カハ・マヒカ(La Caja Magica)で18日から始まった本大会では、18チームが24日の決勝進出を懸けて1週間の短期決戦に臨んでいる。

 形式変更の中心人物は、サッカースペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するジェラール・ピケ(Gerard Pique)氏で、同氏が率いる投資グループ「コスモス(Kosmos)」が国際テニス連盟(ITF)と25年総額30億ドル(約3250億円)の契約を結んだことで、変更が実現した。

 マレーは記者会見で「全体的に言って、今回の新コンセプトに対するネガティブな反応はちょっと極端だと思う」「テニス界にいて時折感じるのは、僕らは変化をすごく嫌がるということ。そして今回のは大きな変化だ。だけど、どうなっていくか見守るチャンスをあげるべきではないかな」と話した。

 これまでの方式では、決勝まで勝ち進んだ場合、年に4回週末に試合が組まれることもあって、トップ選手の参加率が落ち込んでいた。主催者は、集中開催にすることで権威あるデビスカップを再び盛り上げたいと考えており、今大会ではロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)が出場を見送った一方で、マレーとノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が参戦している。

「施設については、主催者はとても良い仕事をしている」「チーム控室はすごく快適だし、料理や移動も上々だ。今のところ大きな不満はない」「一部の人々が、始まる前から大会をつぶそうとしているような気がする。そういう人たちは、ひとまず大会が終わるまで待って、それから今の在り方について公平な見方をするべきだろう」

 その一方で、マレーは大会の雰囲気については不安を口にしている。

「一つ気になるのは、これまでのデビスカップの試合と比べたときの大会の雰囲気だ。だけどそれも、何試合かプレーして肌で感じてみない限りは、どういう感じかはっきりしたことは言えない」

 マレーを擁する英国はグループEに組み込まれており、20日の初戦でオランダと対戦。翌21日にカザフスタンと対戦し、22日の準々決勝進出を目指す。(c)AFP/Thomas ALLNUTT