【11月18日 AFP】ドイツ東部ハレ(Halle)で16日、極右の男が起こした先月の銃撃事件で被害に遭ったシシカバブ店が、事件当時勤務していた兄弟に譲り渡された。

 先月9日の事件後に店を閉めていたシシカバブ店「キーツ・ドゥーナー(Kiez-Doener)」はこの日、営業を再開。事件当時勤務していたイスメット・テキン(Ismet Tekin)さんとルファット・テキン(Rifat Tekin)さんの兄弟は、店主のイゼット・チャーチ(Izzet Cagac)さんから額に入った譲渡通知書と店の鍵を手渡された。

 前店主となったチャーチさんは譲渡通知書に「2019年10月9日の事件から立ち直る力を持って、さまざまな文化や宗教を持つ人々に食を提供し続けてほしい」とつづっていた。

 銃撃事件の容疑者は、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)への侵入に失敗し、外を通りかかった女性を射殺。その後、このシシカバブ店を見つけて発砲し、店にいた客の男性(20)を死亡させた。

 逮捕されたネオナチとみられる容疑者は、襲撃の動機は反ユダヤ思想と極右の過激思想だったと供述している。ドイツでは過激化する極右の暴力に対する懸念が強まっている。(c)AFP