【11月19日 AFP】ジンバブエ国立公園・野生動物保護庁(Parks and Wildlife Management Authority)は先週、致命的な干ばつから野生動物を救うため、ゾウやライオン、インパラなど数千頭を移送する大規模な計画を発表した。

 ジンバブエは同国史上最悪規模の干ばつに見舞われており、ここ2か月で少なくとも120頭のゾウが死んでいる。

 ジンバブエ国立公園・野生動物保護庁のティナシェ・ファラウォ(Tinashe Farawo)報道官はAFPに、「600頭のゾウ、10~20頭のライオン、リカオンの群れ、50頭のバッファロー、40頭のキリン、2000頭のインパラを移送する」と説明した。

 動物たちは同国南東部の広大な動物保護区から、別の三つの保護区に移送される予定。「私たちの歴史上、最大規模の移送になる」とファラウォ氏は語った。

 今年の干ばつにより、草原は枯れ、水場は干上がり、野生動物の生息はますます困難なものとなっている。

 国連(UN)は、干ばつにより、ジンバブエの農村部に住む500万人以上が来年の収穫を前に食料不足の危機にさらされていると警告している。この数は、同国の人口の3分の1近くに当たる。

 ジンバブエの食料不足は、干ばつの影響と慢性的な経済危機によって深刻化している。(c)AFP