【11月18日 AFP】香港の民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)氏は17日、ドイツの大衆紙ビルト(Bild)のインタビューで、ドイツに対し中国への軍事訓練支援を中止するよう訴えた。抗議デモが続く香港では中国の人民解放軍が存在を示し始めている。

 ドイツで最大の発行部数を誇るビルド紙に対し、ウォン氏は「ドイツ連邦軍(Bundeswehr)が中国軍の兵士の訓練を手助けしているとみられることに激しい怒りを覚える。香港でのデモの情勢を考えれば、国防省はずっと以前にこの支援プログラムを終了させておくべきだった」と述べた。

 16日には、香港に駐留する中国人民解放軍(PLA)の兵士らがTシャツに短パンという姿で九龍塘(Kowloon Tong)地区の駐屯地を出て、抗議デモで学生らが設置した路上の障害物やれんがなど撤去する活動を行った。突然人民解放軍が活動を始めたことについて、民主派活動家らは警戒を強めている。

 ウォン氏はまた、香港の治安部隊がデモ隊を鎮圧するために「ドイツ製放水砲」を使用していたことに言及し、「いつになったらドイツは輸出をやめるのか」と質問を投げ掛けた。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、軍事訓練支援の提供を中止するよう要請するウォン氏を支持すると表明した。

 ビルト紙によると、ドイツ軍は2020年に人民解放軍の兵士11人に、兵たんおよび指揮官養成訓練を行う計画だという。

 ウォン氏はまた、18日付の南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)に掲載されるインタビューで、「われわれは、ただ平和的にデモを行っているだけでは何も達成できない」と指摘し、反政府デモの参加者が香港警察に対して暴力をもって抵抗することを肯定した。

 さらに「暴力だけでも達成できない。(平和的な活動と実力行使の)両方が必要だ」と付け加えた。(c)AFP