【11月16日 AFP】香港で続く抗議デモをめぐり、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が14日に「『一国二制度』の原則に対する深刻な挑戦」だと警告したにもかかわらず、民主派は15日もデモを行った。

 この日は会社員を中心とする数千人規模のデモとなった。参加者らは「香港を支持する」と声を上げながら、5本の指を広げた手を挙げた。普通選挙の実施や警察の暴力に対する独立調査委の設置などの「五大要求」を示すものだ。

 デモ隊は複数の大学のキャンパスも占拠。列車の運休が相次ぎ、道路はバリケードで封鎖されるなど、この日も交通が混乱に陥った。

 警察当局は16日早朝、デモに参加していた22歳と23歳のドイツ人学生2人が「不法集会」の疑いで14日に拘束されたと発表した。ドイツの大衆紙ビルト(Bild)によると、2人は香港の嶺南大学(Lingnan University)に通う留学生だという。

 一方、オランダの複数の主要大学は香港に留学中のオランダ人学生約300人に対し、安全上の理由から即時に帰国するよう勧告した。

 15日夜には、香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)近くで自動車が放火され、消防に出動要請があった。

 放火は習氏による警告に抵抗するもので、習氏は14日、抗議行動によって高度な自治を有する香港統治の原則である「一国二制度」が脅かされていると述べ、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官を支持する姿勢を示した。

 習氏はまた、「暴力を止め、混乱を収拾する」ことが最重要課題だと述べた。

 デモによる混乱は週ごとに悪化しており、中国軍が香港に展開するのではないかとの懸念が高まっている。(c)AFP/Yan ZHAO / Catherine LAI