【11月16日 AFP】各国のプロサッカーリーグによって構成されるワールドリーグフォーラム(WLF)は15日、世界中のサッカースタジアムで人種差別行為が相次いでいる問題を受け、反人種差別委員会を発足したと公表した。

 欧州の「5大」リーグであるイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、そしてフランスなど世界の計40リーグから成るWLFは、組織メンバーが試合中の人種差別行為に関して「憂慮」しているとのコメント文を発表した。その中では、委員会を立ち上げて「情報収集」を行い、「最良の事例を絞り込んで提言を行う」ことが明らかにされた。

 ここ数か月間では、選手が人種差別の被害に遭うケースが続いている。今月上旬にはイタリア・セリエAのブレシア(Brescia Calcio)のFWマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)が、エラス・ベローナ(Hellas Verona)の極右的思想で悪名高きサポーターから標的にされた。

 バロテッリはやじを飛ばしたファンに向かってボールを蹴り込み、スタジアムを去ろうとしてチームメートやベローナの選手から止められた。

 10日には、ウクライナ1部リーグのシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)に所属するタイゾン(Taison)が、ウクライナ・ハルキフ(Kharkiv)のメタリスト・スタジアム(Metalist Stadium)を訪れたディナモ・キエフ(Dynamo Kiev)のファンから侮辱行為を受けている。

 バロテッリと同様の報復に出たタイゾンは退場処分となり、同じブラジル人選手のデンチーニョ(Dentinho)と一緒に涙を流す場面があった。試合は一時中断となって両チームの選手は一度ピッチを後にしたが、その後再開され、シャフタールが1-0でディナモから勝利を挙げた。(c)AFP