【11月11日 AFP】ウクライナ1部リーグのシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)に所属するブラジル人選手のタイゾン(Taison)が、人種差別の標的となった後、相手サポーター席にボールを蹴り込んで退場処分を受けた。

 10日に行われたディナモ・キエフ(Dynamo Kiev)戦でタイゾンは、メタリスト・スタジアム(Metalist Stadium)に訪れたアウェーのディナモサポーターから侮辱行為を受けた。

 すると74分、タイゾンはまず相手サポーターに中指を立てると、さらにボールをスタンドに向けて蹴り込み、「スポーツ選手らしからぬ振る舞い」によりレッドカードを受けて涙ながらにピッチを後にした。

 2013年にシャフタールに加入したタイゾンは、ディナモの選手から慰められ、同じブラジル出身のチームメートであるデンチーニョ(Dentinho)も涙を流していた。

 試合は一時中断となって両チームの選手は一度ピッチを後にしたが、その後再開され、シャフタールが1-0でディナモから勝利を挙げた。

 シャフタールのルイス・カストロ(Luis Manuel Ribeiro de Castro)監督は「人種差別は恥だ。われわれは、いつ何時もともに戦わなければならない」と語った。

 またシャフタールは「どういった形の人種差別にも断固反対する。皮膚の色や宗教観、政治観をもって、何人も侮辱することは正当化できない」とのコメント文を発表している。

 4連覇を目指すシャフタールはこの結果、2位につけるゾリャ・ルハーンシク(Zorya Luhansk)との勝ち点差を保ち、首位の座を守っている。(c)AFP