【11月16日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)の初制覇はならなかったものの、世界ランク1位でシーズンを締めくくることが確定したことに加え、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)では母国を優勝に導くチャンスも残っている。

 英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)で開催されているATPファイナルで、ナダルはけがの影響が心配される中で試合に臨み、初戦では前回覇者のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)にストレート負けを喫して黒星発進となった。

 しかし、続くダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)戦では、第3セットに1-5とリードされ、マッチポイントを握られながらも見事な逆転勝利を飾った。そして、15日には、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)をフルセットで退ける強さを発揮した。

 21歳のチチパスに勝利したものの、ナダルはこの時点では大会を去るのか、あるいは準決勝でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と対戦するのか決まっていない複雑な状況に立たされていたが、後の試合でズベレフがメドベージェフに勝利を収め、ここで大会を終えることが決まった。

 惜しくも準決勝には届かなかったもののナダルは通算5度目の年間1位が確定し、フェデラー、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、そしてジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏の記録に並んだ。

 コート上で年間1位のトロフィーが授与された際のインタビューでは、四大大会(グランドスラム)で勝つことと単純に比較するのは難しいとの認識を示した。

 今季のナダルは全仏オープンテニス(French Open 2019)で通算12度目のタイトル獲得を果たした後、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)でも通算4度目の優勝を飾り、グランドスラムの優勝回数を19に伸ばしてフェデラーの記録まであと一つに迫った。

 33歳のナダルは、「これ(年間1位)がとても重要なことは分かっている。なぜなら、達成するには11か月間ずっと良いプレーをしなくてはならないからだ」「グランドスラムで優勝するために、好調を維持する必要があるのは2週間だ。だけど、比較するのは難しい。個人的にはグランドスラムで勝つこと、グランドスラムで最後のポイントを取って勝つこと、そのときの気持ちというのは、ここでは味わえない。とても大きな違いがある」と語った。

 ナダルは次週、スペイン・マドリードで開催されるデビスカップに出場し、母国代表として栄冠を目指す機会に臨む。大会は今年から新フォーマットになり、合計18か国がタイトル獲得を目指して一週間の戦いを繰り広げることになっている。

「果たしてどうなるかな」「彼ら(スペイン勢)は素晴らしい仕事をしてくれたと確信している。きっと特別な大会になるだろう。自国開催だからなおさらだ」「すごく楽しみにしている。大会前の数日間でチームがしっかり準備してくれているだろう。自分が現地入りするときには、チームの準備が万全であることを期待している」 (c)AFP/John WEAVER