【11月16日 AFP】米議会下院の情報特別委員会は15日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領弾劾の是非をめぐる公聴会を開き、トランプ氏に解任されたマリー・ヨバノビッチ(Marie Yovanovitch)前駐ウクライナ大使が証言した。トランプ氏は公聴会の最中にヨバノビッチ氏に対する異例の攻撃をツイッター(Twitter)で展開し、ヨバノビッチ氏は「とても脅迫的だ」と述べた。

 ヨバノビッチ氏がウクライナ大使を突然解任された経緯について話し始める前、トランプ氏は「(ヨバノビッチ氏が)赴任した場所はどこも状況が悪化した」とツイッターで批判した。

 公聴会がテレビ中継される中、ヨバノビッチ氏はトランプ氏の投稿が自身やその他の証人に与える影響について問われると、「とても脅迫的だ」とし、「大統領の目的はわからないが、脅迫的な影響がある」と述べた。

 トランプ氏の突然の非難攻撃は、この公聴会をめぐる緊張を浮き彫りにした。公聴会は、ウクライナとの取引でトランプ氏が自身の政治的利益のために大統領の職権を乱用したかどうかを立証するのが目的。

 弾劾調査を率いる下院情報特別委員会のアダム・シフ(Adam Schiff)委員長(民主党)は公聴会の休憩中、「証人に対する大統統領のリアルタイムの脅迫」と指摘した。シフ氏はこれが弾劾の根拠に相当するかどうかについて言及はしなかったが、証人に対する脅迫は犯罪となる。

 ヨバノビッチ氏は、今年5月に解任される前、トランプ氏の顧問弁護士のルドルフ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani)氏らが主導する中傷合戦の標的にされたとも主張した。ジュリアーニ氏は、トランプ氏がウクライナに対して民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を調査するよう圧力をかけるのを手助けした疑いがもたれている。(c)AFP/Michael Mathes