【11月15日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット(Patriot)」を購入する代わりにロシア製の地対空ミサイルシステム「S400」の導入を断念することはないと述べた。トルコメディアが14日、報じた。

 13日にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と会談したエルドアン氏は専用機内でトルコの記者団に対し、「(ロシアとの関係が強化されている)現段階において、S400の導入を断念してパトリオットを選択することは問題外だ」と述べた。

 日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)によると、エルドアン氏は「『パトリオットも購入する意志がある』と伝えた。しかし、S400も導入する」と明らかにした。

 エルドアン氏はトルコとロシアの二国間関係について、天然ガスやトルコを訪問するロシア人観光客の増加などに言及し、改善していると述べていた。

 また、米国がトルコに対しS400の代わりにパトリオットを購入するよう提案したことについては、トルコの主権に対する「侮辱」であり「正しいとはまったく思えない」と言明した。

 トルコと米国は、トルコによるクルド人勢力への攻撃など複数の問題をめぐって関係が緊張しており、トルコがロシアからS400を購入したことで悪化している。米国は「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」に基づく制裁の可能性を繰り返し警告しているものの、トルコはS400の導入を撤回していない。(c)AFP