【11月14日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は13日、訪米したトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と米ホワイトハウス(White House)で会談した。両国関係はシリア北部のクルド人勢力をトルコが攻撃したことで緊張しているが、トランプ氏は共同会見で「私は(エルドアン)大統領の大ファンだ」と主張した。

 トランプ氏はこの日、米議会で自身の弾劾の是非をめぐる初の公聴会が開かれ、その様子が全米に放映される中、数時間にわたってエルドアン氏と会談。その後、両首脳にとって明らかに友好的な記者を選んで開かれた共同会見で、弾劾危機を「でっち上げ」「冗談」などと呼び、それよりも「中東和平にずっと大きな重点を置いている」と語った。

 一方、急速に悪化した対トルコ関係についても言及を避けた。

 トルコは北大西洋条約機構(NATO)に加盟する米同盟国だが、エルドアン氏が10月、米国と同盟関係にあるシリア北部のクルド人勢力への越境攻撃を軍に命令したことで、両国関係は緊張化している。

 トランプ氏は、シリア北部の対トルコ国境地帯からの米軍撤退を命じた一方、行き過ぎた流血の事態を避けるためエルドアン氏に宛てて「タフガイになろうとするな。愚か者になるな」と諭す、外交的とは言い難い異例の書簡を送付。当初、エルドアン氏はこの書簡を無視したばかりか、ごみ箱に投げ捨てたと報じられていた。

 だが、エルドアン氏は13日の共同会見で、訪米を機に問題の手紙を送り主に返却したと述べた。それでもトランプ氏は「われわれは長年の友人だ」と主張し、エルドアン氏との親密な関係を強調した。

 ただ、両者の会談を受けても、高まる一方の両国間の緊張を解く主な進展を示す兆候はない。米連邦議会では超党派の議員が先週、エルドアン氏の訪米を「不適切なタイミング」だとして中止するようトランプ氏に求めていた。(c)AFP/Sebastian Smith