■低出生体重児や早産の割合が増加

 オンライン科学誌「ネイチャー・サステナビリティー(Nature Sustainability)」に先月掲載された研究によると、大気汚染は喫煙と同じレベルの悪影響を胎児に及ぼす。この研究はニューデリーと同じく長年大気汚染と闘っている中国・北京で行われたもので、母親の大気汚染への暴露と妊娠第1三半期の稽留(けいりゅう)流産のリスク増大に関連があることを示している。さらに2017年に行われた別の研究では、微小な有害物質が胎盤の胎児側に入り込み、胎児の発育を阻害していることも示されている。

 ニューデリーにある医療機関「シタラム・バルティア(Sitaram Bhartia)」では、体重1キロほどの超低出生体重児たちがチューブの助けを借りながら呼吸していた。その横には生命兆候(バイタルサイン)を測定する機械が置かれている。

 新生児担当の産科医リンク・セングプタ(Rinku Sengupta)氏は、大気汚染が深刻な都市では低出生体重児や早産の割合が上昇していると話す。

 セングプタ氏は、「直接的な因果関係を証明することは難しいが、直接的なつながりを示す十分な証拠がある」「何ができるかを考えなければならない」と話した。「これは緊急事態だ」 (c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA