【11月11日 東方新報】中国解放軍海軍の自主設計艦・戚継光(Qijiguang)号が11月4日、フィジー首都のスバ港入りし、四日間にわたり友好訪問した。これは戚継光号としては初のフィジー訪問だ。

 倭寇やモンゴル軍と戦って勝利したことで知られる明代の武将の名前を冠するこの練習艦は、中国最大級で「鄭和(Zhenghe)」訓練艦のおよそ2倍の大きさという。2017年2月に旅順(Lvshun)軍港に就役。大連(Dalian)艦艇学院に所属する。9月20日、517人の海軍学院生と官兵を乗せて大連から出航し、ブルネイ、東ティモール、パプアニューギニア、ニュージーランドを歴訪してきた。

 今回の航海の目的は、乗艦の海軍学生たちの教育、訓練だけでなく、現地の軍や民間人、現地駐在の海外武官らとの交流を行い、軍民友好活動も兼ねている。中国が医療支援など積極的に関係を深めているパプアニューギニアでは、日本籍2人とニュージーランド籍2人の外国籍武官を初めて艦上に迎え、ニュージーランドまでの訓練航海をともにした。

 この2か月の訓練航海中、戚継光号は黄海、東シナ海、南シナ海、ジャワ海、バンダ海、チモール海、アラフラ海などを航海し、台湾海峡、カリマタン海峡、トレス海峡、クック海峡、大隅海峡などを通過。その間に海軍学生たちは、地文や天文知識を頼りに航海する技術や、海洋水文気象についての知識など27科目にわたる教学・訓練を受けてきた。

 また、訪問先の海外港では現地の人々に乗艦参観してもらい、甲板でさまざまな交流イベントを開催し、中国海軍の太平洋地域でのプレゼンス強化とイメージアップに貢献した。

 戚継光号は就役以降、中国海軍創立70周年記念の多国海軍活動に参加、南シナ海での海上閲兵式やユーロアジア四か国訪問や第四回全国学生軍事訓練キャンプ海上段階任務に参加。軍事演習だけでなく、海外華僑救援や重大災害救援活動など非戦争軍事任務にも積極的に参加し、中国海軍の友好的イメージをアピールする宣伝艦隊の役割も期待されている。 (c)東方新報/AFPBB News