「フランス語が不十分」 フランス出身女性の永住権認めず カナダ・ケベック州
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【11月9日 AFP】フランス語を公用語とするカナダ・ケベック(Quebec)州で、フランス出身の女性が永住権の取得を求めたところ、フランス語の能力が不十分という理由で拒否されていたことが分かった。
2012年からケベック州に住んでいるエミリー・デュボワ(Emilie Dubois)さん(31)は、フランス東部ブルゴーニュ(Burgundy)出身のフランス語話者。ケベックシティーにあるフランス語使用のラバル大学(Laval University)で博士論文を完成させ、同州内で小企業を立ち上げた。語学テストにも合格していた。
しかし、これら全てがあっても、ケベック当局にとってデュボワさんが永住権を手にするのに必要な適合証明書を交付するのには不十分だったようだ。
1763年に英国に譲渡されるまで仏植民地だったケベック州ではフランス語が唯一の公用語とされており、政府や商業、裁判所などで使われている。
しかし、同州で多数を占めるフランス語話者は、フランス語をあまりにも厳格に保護しているとしてしばしば批判されてきた。
ケベック州移民局から渡された書類によると、デュボワさんが学位論文の一部をフランス語で書かなかったのが、永住権を認めなかった理由だという。
デュボワさんが書いた細胞分子生物学に関する博士論文は科学誌に掲載された学術論文だったため、5章あるうちの1章が英語で書かれていた。しかし他の4章はフランス語で書かれていた。
デュボワさんは「ばかばかしい。でも誰かが間違いを犯しただけだと思う」と話した。
報道によると、ケベック州のシモン・ジョリンバレット(Simon Jolin-Barrette)移民局長はこの件を知り、再審査をするよう求めた。
今後も永住権取得を目指していく決意を固めたデュボワさんは「ケベックに住みたいという意思はより強くなった」と話している。(c)AFP