【11月5日 AFP】米国は4日、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の側近らを制裁対象に追加した。両国の緊張が再燃する中、イランの米大使館人質事件から40年となった同日、同国の首都テヘランでは数千人が街頭で反米デモを行った。

 事件ではイラン革命を支持する学生らが大使館に突入、米外交官や警備員ら数十人を拘束した。事件発生から40年となったこの日、テヘランなど複数の都市で反米デモがあり、デモ参加者らは反米のシュプレヒコールを繰り返し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を模した人形を掲げて練り歩いた。

 米国は、イラン革命後に成立したイスラム共和国下の最高指導者であるハメネイ師の側近9人に対する制裁を発表。一方、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は声明で米大使館人質事件を挙げ、「40年後、イランの革命派による体制は、権力掌握後の最初の行動が悪の性質の明白な兆候だったことを何度となく証明した」と述べた。

 米財務省は同国に対する制裁発表で、イラン国内での「弾圧」と国外への「テロ」の送り出しを理由に挙げた。制裁により、米国で制裁対象者と金融取引を行うことは犯罪となる。

 一方、イランは4日、2015年の核合意の制限を破る新たな措置を発表した。ただ、欧州の大国が依然として支持している核合意を破棄する意向のものではない。

 同国のアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)副大統領兼原子力庁長官によると、イランは濃縮ウランの生産量を1日当たり5キロと2か月前の10倍超に増加させ、新型の先端遠心分離機を2基増設した。(c)AFP/Shaun TANDON