【11月5日 AFP】インドは4日、アジアでの巨大経済圏の構築を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への不参加を表明した。中国が支持するRCEPにとって打撃となる。

 RCEPが実現すれば、全世界の国内総生産(GDP)の30%、世界人口の約半数を占める経済圏が生まれる予定だった。しかしインドは、RCEPへの参加により国内市場に安い中国製品があふれ、国内産業が大きな打撃を受けることを懸念し、不参加を決めた。

 タイの首都バンコクで開かれた首脳会議後、インド外務省のビジェイ・タクール・シン(Vijay Thakur Singh)東アジア担当局長は記者団に対し「われわれは参加各国に、RCEPに参加しない意向を伝えた」と述べた。

 インドの土壇場でのRCEP離脱に先立ち、バンコクでは東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が連日にわたる長時間の協議を終えて4日に閉会していた。同会議では、米中間の貿易戦争による大きな影響を背景に、RCEPを中心とした貿易問題が主な議題となった。

 インドの決定はRCEPにとって打撃とみられている。インドの不参加でRCEP参加国はASEAN加盟の全10か国に中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドを加えた15か国となる。米国は含まれていない。

 残る15か国は今後、合意に達した草案を精査し、来年の署名を目指す。(c)AFP/Joe Freeman, Jenny VAUGHAN