【11月5日 AFP】フランス南西部にある中世の大聖堂で4日、強盗らが車を突入させて建物内部に侵入し、さらに鉄柵を切断して、銀の聖杯など掛け替えのない貴重な宝物を奪い去った。地元当局が明らかにした。

 被害を受けたのは、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録された、オロロンサントマリー(Oloron-Sainte-Marie)にある大聖堂。地元自治体の関係者の話では、容疑者らは自動車の正面に丸太をくくり付けて扉を突き破ったことが、初期捜査で示唆されているという。

 礼拝堂内の鉄製の柵の内側に保管されていた、複数の聖杯をはじめ、儀式に用いられる主に金製の品々などが盗まれたという。

 この関係者は「地元住民が騒音で目覚め、大聖堂の警報が警察に届いた後、市長には午前2時(日本時間同10時)ごろに連絡があった」と明かしている。

 目撃情報によると、容疑者らは3人組。また、この大聖堂が強盗被害に遭ったのは今回が初めてだと、この関係者は述べている。

 スペイン国境から50キロに位置するオロロンサントマリーは、巡礼のためスペインのサンティアゴデコンポステラ(Santiago de Compostela)大聖堂に向かうキリスト教徒らが多く立ち寄る場所。

 専門家らが盗難された品々を確認することになっているが、先の関係者は「相当な」被害であり、「金銭的な価値以上に、地元住民にとっては今や歴史や遺産から断絶させられた思いだ」と話している。(c)AFP