豪森林火災、脱水症状のコアラ2頭救出 数百頭が犠牲の恐れ
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【11月3日 AFP】森林火災に見舞われているオーストラリア東部沿岸地方で2日、被災地からコアラ2頭が救出された。同国ではコアラの生息地で火災が続いており、数百頭が犠牲となった恐れが出ている。
「コーデュロイポール(Corduroy Paul)」と名付けられた、体重わずか5キロの幼いコアラは、シドニー北方約400キロの被災地で、脱水状態で発見され、今月2日早朝にポートマッコリー・コアラ病院(Port Macquarie Koala Hospital)に搬送された。
同病院のスー・アシュトン(Sue Ashton)院長はAFPに対し、コーデュロイポールは「地面から抱え上げられ、小さなボールのように丸まっていた。ほとんど動かなかった」と明かした。このコアラの健康状態は現在、「とても良好」だという。
さらにその後、「アンウィン(Anwin)」と名付けられた雌のコアラも同じく脱水症状で治療を受けている。
同病院によると、火災現場の外れにある森林で発見されたコアラ4頭が、3日に救出される予定だという。
アシュトン院長は、「コアラたちが焼け死ぬだけではなく、脱水状態に陥っていることもわれわれの懸念事項だ」とし、「コアラたちは数日の間、水や体水分量の65%を供給する葉も手に入れられないまま過ごすことになる」と述べた。
豪東部沿岸地方で発生した森林火災により、過去1週間で「非常に稀少な」コアラが密集して生息する地域を含む数千ヘクタールが焼失。この火災でコアラ数百頭が死んだ恐れがあり、水不足のまま数日が経過したことから、生存の可能性がより一層低くなっている。
深刻な干ばつにも見舞われていた同国南東部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州各地では、2日午後の時点で、火災現場が60か所超に上っている。(c)AFP/Daniel DE CARTERET