【11月2日 AFP】ブラジル国防省は1日、9月初頭から同国北東部の大西洋沿岸に2000キロにわたって漂着した原油について、ギリシャ船籍のタンカーから流出したとの見方を発表した。

 国防省は、ギリシャ船籍に対する捜索令状が出されたと明かした。船名は公表されていない。検事当局は、ブラジルの海岸への被害は「計り知れない」と非難した。

 一方、連邦警察はこの船舶の所有者と関係があるリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の会社を強制捜索したと発表した。

 捜査当局は、原油が漂着した地域を通過した船舶1100隻を調査。原油を流出した疑いのある船舶を30隻まで絞り、ギリシャ船籍の船が最も疑わしいとの決断を下した。

 連邦警察はまた、ブラジル海軍の話として、この船舶が以前米国で「原油と分離して水を海に放出するシステムに異常」が見られたため、4日間拿捕(だほ)されていたと明かした。

「環境上の惨事」と言われている今回の原油漂着によって、ブラジルでは9州264か所が被害を受け、カメなど多くの海洋生物が死んだ。(c)AFP