【11月2日 AFP】男子テニス、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2019)は1日、シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)はともに順当に4強入りを果たし、今季終了時の世界ランキング1位争いをしている中で、決勝での直接対決に近づいた。

 今大会で優勝すればジョコビッチを抑えて世界1位でのシーズンフィニッシュが確定する33歳のナダルは、ワイルドカード(主催者推薦)のジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)を7-6(7-4)、6-1で退けた。

 第1セットはツォンガが持ち前のビッグサーブで対抗し、1ゲームもジュースにならないという両者譲らぬ展開のままタイブレークにもつれた。しかし、そこからナダルが主導権を握り、圧巻のウイナーを2本たたき込むなどしてこのセットを先取した。

 第2セットの第2ゲームでは、ツォンガが強烈なサーブをさく裂させた場面もあったが、2本連続でダブルフォールトを犯してしまい、ナダルがこの試合初めてのブレークに成功して一気に勝利をさらった。

 マスターズ1000(ATP Masters 1000)で歴代1位の通算35勝を誇るナダルは、その数字を36に更新すべく、2日の準決勝ではカナダの新鋭デニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov)を迎え撃つことになった。同選手は第13シードのガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)を6-2、6-2で下し、ベスト4入りを決めた。

 マスターズシリーズでこれが自身73回目のベスト4入りとなったナダルは、優勝すればATPツアーで通算85勝目となる一方で、室内大会でのタイトル獲得はわずか3回目となる。

 一方、ジョコビッチは第7シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)を6-1、6-2で一蹴し、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)との準決勝に進出。ディミトロフはチリのクリスティアン・ガリン(Cristian Garin)に6-2、7-5で勝利した。

 32歳のジョコビッチはわずか58分間で試合を制し、「今季最高の試合の一つ」と満足した様子を見せていた。これまでチチパス戦では1勝2敗と負け越していたが、この日は世界7位の若手に貫録勝ちを収めた。

 四大大会(グランドスラム)通算16勝のジョコビッチは、「今季の中でも最高の試合の一つだった」と振り返ると、「この試合に向けてしっかり準備をしていた」「3週間前の上海マスターズ(2019 Shanghai Rolex Masters)では、ステファノスに敗れた。それでビデオを見て、自分の良かったプレー、あまり良くなかったプレー、そして改善点を分析した」と明かした。

 次週の世界ランキングではナダルにトップの座を明け渡すジョコビッチだが、今大会で通算5度目のタイトル獲得を果たして英ロンドンで開催されるATPファイナルズ(ATP Finals 2019)に乗り込めば、世界1位で今季を締めくくる可能性は残されている。(c)AFP/Jed Court