【11月1日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は10月31日、スティーブン・ビーガン(Stephen Biegun)北朝鮮担当特別代表(56)を国務副長官に指名した。就任には上院の承認が必要。ビーガン氏は外交分野のベテランとして尊敬を集めており、対北朝鮮外交を指揮する困難な仕事を担当してきた。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が来年の上院選でカンザス州から出馬するとの観測が高まる中、次期副長官は少なくとも一時的に米外交トップとなる可能性がある。このため、今回のビーガン氏指名には、特に注目が集まっている。

 ジョン・サリバン(John Sulliva)国務副長官は次期駐ロシア大使に指名されており、ビーガン氏はその後任として指名された。米当局者によると、同氏は副長官に就任した場合も北朝鮮担当特別代表を兼務する。

 ビーガン氏は昨年、トランプ氏と金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の初の首脳会談の後に北朝鮮担当特別代表に就任。北朝鮮側は当初、核開発計画は両国首脳間で直接交渉しているとの認識から、首脳会談の準備以外に特別代表を相手にする理由は少ないとみて、ビーガン氏を冷たくあしらっていた。

 しかし同氏は10月上旬、北朝鮮の金明吉(キム・ミョンギル、Kim Myong Gil)首席代表とスウェーデンで行った会談の際、行き詰まりを打開した。

 米政界で二極化が進む中、ビーガン氏は人当たりの良さと、イデオロギーを語るよりも説得力のある分析を提示することで尊敬を集めている。

 ビーガン氏は長年の共和党支持者。これまで、議会で裏方役を担ったほか、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権下でホワイトハウス(White House)と国務省の高官を務めた。(c)AFP/Shaun TANDON