【10月27日 AFP】北朝鮮の非核化をめぐる交渉が行き詰まっている中、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong Chol)朝鮮労働党副委員長は27日、米国は金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の「親密な関係」を交渉に利用すべきではないと主張した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

 金英哲氏は、外交の難局を乗り切る上で金正恩氏とトランプ氏の親密な関係が役立っていると評価する一方、「全てのことには限界がある」と指摘し、両首脳の良好な関係だけでは十分ではないと警告した。

 さらに、首脳間の親密な関係が「国民の意識と離れ続けていることは不可能」だとし、米朝関係悪化を防ぐ保証にはならないと述べた。

 北朝鮮は、非核化交渉で年末までに米国が「新たな方法」を提示することを求めている。

 元対米交渉担当の金英哲氏がこうした発表をするのは異例。同氏は今年6月、北朝鮮で開かれたマスゲームの観覧に金正恩氏と共に出席する姿が見られるまで、決裂したベトナム・ハノイでの米朝首脳会談の後に粛正されたとのうわさも出ていた。朝鮮中央通信は、金英哲氏の現在の肩書を朝鮮アジア太平洋平和委員長として伝えた。(c)AFP