【10月31日 AFP】男子テニス、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2019)は30日、シングルス2回戦が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、体調不良の中でラッキールーザーのコランタン・ムテ(Corentin Moutet、フランス)に7-6 (7-2)、6-4で辛勝し、3回戦に駒を進めた。

 今季終了時の世界ランキング1位争いでラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と一騎打ちを演じているジョコビッチは、第1セットに同97位のムテが握った2本のセットポイントをしのぐと、どうにか勝利を手にした。31日の次戦では、英国のカイル・エドモンド(Kyle Edmund)を迎え撃つことになった。

 32歳のジョコビッチは、ベルシー・アリーナ(Bercy Arena)で行われている今大会で史上最多記録を更新する通算5度目のタイトル獲得を目指している中で、のどの痛みとの闘いを強いられており、「ここ数日間は体調が100パーセントではないけれど、それは仕方がない」「体力やコートでの活力に影響している。理想的でないのは確かだけれど、こういう状況になったらとにかく受け入れ、回復に全力を尽くすしかない」とコメントした。

 一方、英ロンドンで開催されるATPファイナルズ(ATP Finals 2019)を前に、次週の最新ランキングでジョコビッチから王座奪取が確定している第2シードのナダルは、フランス勢としてワイルドカード(主催者推薦)で出場しているアドリアン・マナリノ(Adrian Mannarino)を7-5、 6-4で退けた。

 四大大会(グランドスラム)通算19勝を誇るナダルは、世界43位のマナリノを相手に圧倒的な強さを発揮したとは言えないまでも、それほどてこずることなく勝利。マスターズ1000(ATP Masters 1000)では歴代1位の通算35勝を記録しながらも、パリ大会では一度も勝ったことがない中で、3回戦では第16シードのスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)と激突する。

 ワウリンカはマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)との2回戦に7-6(7-3)、7-6(7-5)で勝利した。

 今月めでたく結婚してから初めて大会に臨んでいる中、来月3日の決勝でトロフィーを掲げれば自身5回目となる世界1位でのシーズン終了が確定するナダルは、「久しぶりにツアーに戻ることは簡単ではない」とすると、「あすの試合もそうで、スタンとの厳しい戦いが待っている。今大会は毎日が本当に苦労の連続だ」と語った。

 その他では、第5シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)がミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)とのフルセットの激戦に7-6(7-5)、5-7、6-4で勝利。強烈なサーブで30本のエースを記録した相手に全力で立ち向かい、ベスト16入りを果たした。

 ティエムが3回戦で対戦するグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)は、第12シードのダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)を7-5、6-3で撃破した。

 第7シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は、本来の調子を取り戻しつつある中で、米国のテイラー・フリッツ(Taylor Fritz)に7-6(7-3)、6-3で勝利。次戦は、第9シードのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)に7-6(7-2)、7-6(7-1)で競り勝ったアレックス・デミノー(Alex De Minaur、オーストラリア)と対戦する。(c)AFP/Jed Court