【10月28日 AFP】男子テニス、スイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2019)は27日、シングルス決勝が行われ、大会第1シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)はワイルドカード(主催者推薦)のアレックス・デミノー(Alex De Minaur、オーストラリア)を6-2、6-2で下し、通算10度目の優勝を果たした。

 かつてボールボーイとして参加した故郷バーゼル(Basel)での大会を制覇したことについて、フェデラーは「信じられない」成功だと語った。

 自身103度目となるツアー優勝を成し遂げた38歳のフェデラーは、セレモニーで地元の観客から盛大かつ温かなスタンディングオベーションを受けると、感情を抑えることを強いられた。

 フェデラーはこれで、ツアー通算109勝を収めた米国のジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏が持つ歴代最多記録にあと6勝と迫っている。

 四大大会(グランドスラム)で20勝を挙げているフェデラーは、テニスを初めて経験したのは、20年以上前にザンクト・ヤコブ・ホール(St. Jakobshalle)でボールボーイをしていたときだったと振り返った。

 フェデラーは「ボールボーイの経験は、本当に私を奮い立たせた」とコメントした。

「けれど、ここで10度も優勝したなんて信じられない」「1度の優勝だって考えもしなかった。信じられないような1週間だった」

 ドバイ・テニス選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships)やマイアミ・オープン(Miami Open 2019)、ノベンティ・オープン(NOVENTI OPEN 2019)に続き、フェデラーはこれが今シーズンの4勝目。スイス・インドアは10度目の制覇となったが、ノベンティ・オープンの優勝回数に並んだ。

 スイス・インドアでの戦績を通算75勝とし、同大会での連勝を24試合にまで伸ばしたフェデラーが最後に敗れたのは、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)に黒星を喫した2013年大会の決勝にまでさかのぼる。

 妻子と両親に見守られる中、節目となるタイトルを記念し、フェデラーにはボールをトスしている様子を表した実物大の手の金属製の彫像が贈られた。

「同じ場所で10個のタイトルを手にすることは、キャリアの中で、たとえあったとしてもそう多くは経験できない」「バーゼルでのこの大会でそれを成し遂げられて最高に幸せ。とても良い1週間だった。これまでと同様、ファンは素晴らしかった」

 フェデラーは28日、11月10日に開幕するATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2019)を前にして行われる今季最後のツアー大会、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2019)に出場するかどうかを決断する予定。フェデラーはすでにファイナルズの出場権を獲得している。(c)AFP/Bill SCOTT