【10月27日 CNS】今年は甲骨文が発見されてから120周年にあたる。中国国家博物館(National Museum of China)で22日、「証古澤今(古きを学び今を潤す)──甲骨文文化展」が開幕した。甲骨文を内容とする文化展が同館で開催されるのは初めてで、同館が収蔵する甲骨文化財の大量展示も初めてだ。

 展示は主として「甲骨文の発見と制作」「甲骨文が反映する商代社会」と「甲骨文の研究」の3部に分かれる。第1部では、甲骨文の発見、甲骨文の文例、字形の特徴と甲骨文の分類などについての基本情報を展示している。第2部では、甲骨文が反映する商代社会の展示で、商王の系譜、祭祀と信仰、戦争と軍隊など9つのテーマに分かれる。第3部は、過去100年余りの甲骨学者とその研究成果だ。

 展示場では、約190点の甲骨、青銅、玉石、書籍などの実物が展示され、甲骨の発見や発掘の驚くべき歴史と甲骨文の背後にある商周文明を肌に感じることができる。

 同館に収蔵されている「土方征涂朱卜骨」は著名な学者、羅振玉(Luo Zhenyu)が収蔵していた甲骨文化財の一つで、この骨はサイズが大きいだけでなく、甲骨文の形式も「叙辞」「命辞」「占辞」と「験辞」の4種がすべてそろっており、局部的に損壊はあるものの、極めて珍しい。「卜骨」の内容もすこぶる多彩で、祭祀、狩猟、気象など多岐にわたる。

 展示の中では、マルチメディアを用いた展示が興味を引く。スキャンをするともらえる甲骨文の「顔文字」は「ありがとう」や「楽しい」を意味する甲骨文をユーモアたっぷりに再現している。甲骨文から簡体字へ変化していった過程についても、マルティメディアが絵と文章を織り交ぜ、生き生きと説明している。

 同展示会の展示期間は2か月、12月22日までの予定だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News