【10月24日 AFP】地下鉄運賃の値上げと社会的不平等に抗議するデモが暴動に発展している南米チリでは23日、首都サンティアゴなど複数の都市でゼネストが実施され、窮地のセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領にさらなる圧力をかけた。新たに4歳の子どもや警官に暴行されたとされるデモ参加者ら3人が死亡し、一連の死者数は合わせて18人となっている。

 ゼネストは、国内最大の労働組合であるチリ中央統一労働組合(CUT)が呼び掛けたもの。前日にピニェラ大統領が暴動の鎮静化を図るためさまざまな対応策を打ち出したにもかかわらず、大勢の学生や大学教員、公務員らがストに参加した。

 2日間にわたるゼネストを約20団体と共同で主催したCUTは、「スト決行だ! 大きな声ではっきりと言わせてもらう、値上げと職権乱用はもうたくさんだ!」と声を上げた。

 サンティアゴでは、警察がデモ鎮圧のため放水銃を使用した。

 社会的・経済的な問題や貧富の格差に抗議する一連のデモでは、「チリは目覚めた」とのスローガンが目立つ。

 今回の騒乱は、1973年から1990年まで続いたアウグスト・ピノチェト(Augusto Pinochet)将軍率いる独裁政権が崩壊してチリが民主主義を回復して以来、最悪の規模に発展している。チリの国立人権研究所(INDH)によると、これまでに269人が負傷、約1900人が逮捕された。(c)AFP/Miguel SANCHEZ