【10月23日 AFP】任期満了に伴う大統領選が20日に実施された南米ボリビアで、現職のエボ・モラレス(Evo Morales)大統領の勝利宣言を受けて抗議デモが暴徒化するなか、野党は22日、ゼネストを呼び掛けた。最新の開票結果によるとモラレス氏が決選投票を待たずに4選を果たす可能性が強まっている。

 国内6県の市民団体は、当初最大都市サンタクルス(Santa Cruz)のみで22日に予定されていたゼネストを全国に拡大させることを支持すると表明。ゼネストは23日午前0時(日本時間同日午後1時)に開始予定。主催者側は「民主主義と国民の意思が尊重されるまで続ける」と述べた。

 これまでの暫定開票結果ではモラレス氏と、2番手につけたカルロス・メサ(Carlos Mesa)元大統領が接戦となり、両氏の間で決選投票が行われるとみられていたため、野党支持者は最新の暫定開票結果の発表が予定より遅れ、モラレス氏が第1回投票で当選を決めるのに必要な得票率が4割以上で2位の候補に10ポイント以上の差をつけるという条件を満たしつつあるとされたことに怒りをあらわにした。

 情勢が突然変わったことに憤慨した有権者らは、政府所在地ラパス(La Paz)など複数の都市で暴力的なデモを展開し、メサ氏は開票結果を受け入れないと表明。2001年から2005年まで大統領を務めたメサ氏は、モラレス氏が最高選挙裁判所(TSE)と結託して開票結果を不正に操作し決選投票を避けようとしていると非難した。

 米州機構(OAS)の選挙監視団は、初期の開票結果で決選投票が行われる可能性が明確に示されていたにもかかわらず、その後突然、説明しがたい変化があったと指摘した。ボリビア政府は22日、OASに、開票作業全般の監査を「できるだけ早く」行うよう要請した。

 政府所在地のラパスでは22日夜、前夜に続いてデモ隊と警察の衝突が発生した。選挙当局の庁舎前で数百人が投石し、警察は催涙ガスを使用した。(c)AFP/Tupac POINTU