■「香港を見ろ」

 カタルーニャ州のデモ参加者の多くはアイデアを得るために、香港のデモを参考にしている。

 バルセロナではデモ隊が警察に対して「時々」、レーザーポインターを使っている。6月以降、民主主義と警察の説明責任を求めて数百万人がデモを行っている香港では、よく使われている戦術だ。

「人々は今こそ、通りに繰り出すべきだ。すべての抵抗はそこから始まる。香港を見るべきだ」。バルセロナでデモに参加していたビクトリア・サントス(Victoria Santos)さん(62)はそう話した。

 バルセロナを象徴するサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)教会へ通じる道は18日、独立派団体「共和国のためのピクニック(Picnic for the Republic)」によって封鎖された。匿名を条件に取材に応じたメンバーは、暗号化メッセージアプリ「テレグラム」の使用は香港のデモ隊を「直接」まねたものだと話した。

■黄色いヘルメット

 カタルーニャの独立派は、香港で使用されているビラをそのまま使うこともある。警察の放水砲から身を守る体勢を説明する図解は、広東語の記載のままソーシャルメディアで共有された。

 8月に立ち上がったあるカタルーニャ独立派団体は、自分たちのことを「カスコス・グロクス(黄色いヘルメット)」と呼んでいる。香港のデモ隊と同じ黄色いヘルメットを使用しているからだ。

 ソーシャルメディア上では、香港の歌手で民主派活動家のデニス・ホー(何韻詩、Denise Ho)さんや漫画家のバディウカオ(巴丟草、Badiucao)さん、独ベルリンを拠点に活動する中国系アーティストで言論の自由の擁護者であるアイ・ウェイウェイ(艾未未、Ai WeiWei)さんらも、カタルーニャ地方の抗議デモを支援している。