【10月25日 AFP】空港封鎖や暗号化メッセージアプリの利用――スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州で、独立派の州政治家9人に対し長期の禁錮刑判決が出されたことに抗議するデモの参加者らは、香港の民主派デモの戦術を公然と模倣している。

 2017年に実施されたカタルーニャ州の独立をめぐる住民投票で主導的立場にあった9人に対し、スペイン最高裁は今月14日、最長13年の禁錮刑を言い渡した。その直後、ロシアで開発されたメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」のユーザー24万人は、スペインで2番目に発着便数が多い州都バルセロナのエルプラット空港(El Prat Airport)へ向かうよう促すメッセージを受け取った。

 メッセージを送ったのは、設立されたばかりの「民主的津波(Democratic Tsunami)」と呼ばれる匿名の独立派組織。9月に香港の民主派デモの参加者たちが実行したように、空港を「まひ」させることが目的だった。香港の活動家たちはそのとき、航空券を購入して空港に進入した。

 バルセロナのデモの参加者たちは、空港の保安検査場を通過できるよう、午後の便の搭乗券をメッセージアプリからダウンロードできるようになっていた。空港内に入った参加者はほとんどいなかったが、空港の外に集まった約1万人が航空会社の乗務員らの行く手を妨害し、約100便が欠航を余儀なくされた。

「民主的津波」が送ったメッセージの一つの末尾には、ハッシュタグ「#BeWater(水になれ)」が付いていた。これは香港で生まれた迅速で予測不能な抗議戦略を表すスローガンだ。

 香港の伝説的アクションスター、ブルース・リー(Bruce Lee)の言葉が基になっているこのスローガンは、ツイッター(Twitter)でカタルーニャ全域に拡散している。