【10月22日 AFP】仏サッカー専門誌「フランス・フットボール(France Football)」は21日、2019年のバロンドール(Ballon d’Or)各部門の候補選手を発表し、男子では昨年の受賞者であるレアル・マドリード(Real Madrid)のルカ・モドリッチ(Luka Modric)や、世界最高額選手であるパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が外れた。

 W杯ロシア大会(2018 World Cup)でクロアチアを決勝に導いたモドリッチは昨年バロンドールを受賞し、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)とリオネル・メッシ(Lionel Messi)による独占状態に11年目で終止符を打っていた。

 また、2017年に2億2200万ユーロ(約265億円)でPSGに加入したネイマールも、この1年間はけがや出場停止処分に苦しみ、さらにはクラブやブラジル国内で騒動を起こしたことで影が薄まり、30人の候補メンバーには入らなかった。

 リバプール(Liverpool FC)で欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)優勝を成し遂げ、印象的な6か月間を送っている28歳のビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)は、数少ないDFの受賞者になるかもしれない。

 1956年の創設後、バロンドールを手にしたDFは4人しかおらず、最後の受賞者は2006年のファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏となっている。

 他の候補選手では、昨季のフランス・リーグ1で得点王に輝いたパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)が、真の世代交代を象徴するかもしれない。

 エムバペは昨年、21歳未満の年間最優秀選手賞に当たる「コパ・トロフィー(Kopa Trophy)」を獲得したが、12月20日に21歳を迎えるため、今年は受賞の資格を持っていない。

 また今年からは、最優秀GK部門に当たる「ヤシン・トロフィー(Yashin Trophy)」が設立された。旧ソ連代表の伝説的選手で、GKとして唯一バロンドールを手にしているレフ・ヤシン(Lev Yashin)氏にちなんで名付けられたこの賞は、これまで受賞の機会に恵まれなかったGKに独自の賞を与えるためにつくられた。

 昨年創設された女子部門では、今年7月に行われた女子W杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)でピッチの内外で圧倒的な存在感を放った米国代表MFミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)が最有力となっている。

 W杯で他選手と並び得点王に輝き、大会の最優秀選手(MVP)に選ばれたラピノーは、米国の優勝に貢献。LGBT(性的少数者)の権利や男女平等について運動を行ってきた34歳のラピノーは、大会期間中に米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対抗する姿勢を見せ、メディアに大きく報じられた。

 バロンドール各部門の受賞者は、180か国の記者らによる投票が行われた後、仏パリで12月2日に行われるセレモニーで発表される。(c)AFP