【10月22日 AFP】交流サイト(SNS)大手の米フェイスブック(Facebook)は21日、2020年の米大統領選挙に向けたセキュリティー強化策を発表した。調査会社の実施した分析からは、ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領ら民主党候補に対するロシアからの新たな攻撃が起きていることが示されている。

 フェイスブックは、同社サイトと傘下の写真・動画共有サービス「インスタグラム(Instagram)」でロシアとイランのアカウント計4件を「組織的な不正行動」を理由に削除したと発表。米有権者の操作を狙う「国家に統制された」メディアへの対抗策を強化していると明らかにした。

 一方、調査会社グラフィカ(Graphika)が公表したフェイスブック上の活動分析結果では、ロシアを発信源とする複数のアカウントが米政界の候補者や諸問題に照準を合わせた活動を行っていたことが示されている。

 報告書では「複数のアカウントが、(民主党候補の)バーニー・サンダース(Bernie Sanders)氏またはドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を称賛していた」と指摘。「政治スペクトラムの両サイドに属するアカウントがジョー・バイデン氏を攻撃していた。一部はカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏やエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)氏も攻撃していた。こうしたアカウントのほぼ半数がスイング・ステート(米選挙の激戦州)、特にフロリダを拠点としていると主張していた」と記している。

 また報告書によると、これらのアカウントは2016年米大統領選で米国ユーザーを対象とした活動を行っていたロシア企業インターネット・リサーチ・エージェンシー(Internet Research Agency)のメッセージを再利用していた。同社はフェイスブックが行った分析でも不正な活動との関連が指摘されている。

 フェイスブックは新たな対策の一つとして、国が統制するメディアの発するメッセージにマークを付ける措置を来月から開始すると発表。さらに、偽情報の拡散防止策として、第三者のファクトチェック(事実検証)により虚偽であることが分かっているインスタグラムの投稿を利用者がシェアしようとした際に「ポップアップ」を表示させることも明らかにした。(c)AFP