【10月14日 AFP】エスカレーターは停止し、暖房は低めの温度に設定、外交官向けのバーも早々に午後5時には閉店──ここ10年で最悪の予算不足に陥っている国連(UN)は先週、資金難対策として一連の措置を発表した。

 国連の管理部門を統括するキャサリン・ポラード(Catherine Pollard)氏は、「他にどうしようもない」とコメント。今は3万7000人の職員に次の給料を支払うことが、最優先事項となっている。

 AFPは、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長が職員に宛てた書簡の写しを入手。この中でグテレス氏は、出張や祝宴の削減、新規採用の制限、文書や報告書、翻訳の削減、ひいては冷水器の使用停止まで、予定されているさまざまなコスト削減策を説明した。

 国連は今年、運営費が14億ドル(約1500億円)不足していると発表。約60か国の分担金の納付が遅れていることをその理由に挙げている。

 この不足分の9割を占めるのが、米国とブラジル、アルゼンチン、メキシコ、イラン、イスラエル、ベネズエラの7か国で、中でも米国の納付遅延分は10億ドル(約1000億円)を超えている。

 国連は常に資金難に直面しているが、近年その規模は大きくなり、年度の早い段階で表面化し、長期化している。(c)AFP